採用コストとは、企業が新しい人材を採用する際に発生するすべての費用を指します。求人広告費や紹介手数料などの「外部コスト」だけでなく、面接や選考に関わる社員の人件費、教育・研修費などの「内部コスト」も含まれます。企業の採用効率や採用戦略を評価するうえで、重要な指標のひとつです。
採用コストの仕組みは、大きく分けて外部支出型コストと内部運用型コストの2種類で構成されます。外部コストには、求人媒体への掲載費、人材紹介会社への報酬、採用イベント・合同説明会の参加費などが含まれます。一方、内部コストには、採用担当者や面接官の人件費、選考に使用するシステム費、内定者フォローや教育研修にかかる費用などが挙げられます。
【採用コストの主な内訳】
- 求人広告・スカウトサービス利用料
- 人材紹介・派遣会社への手数料
- 採用サイト・SNS運用費
- 面接・選考に関わる担当者の人件費
- 内定者研修・入社後フォローの教育費用
採用コストは、採用1人あたりの費用(採用単価)として算出することが一般的です。たとえば、総採用費用が300万円で10人を採用した場合、1人あたりの採用コストは30万円となります。この数値をもとに、採用チャネルごとの費用対効果を分析し、より効率的な採用活動を設計することが可能です。
【注意点】
採用コストを削減することだけを目的化すると、結果的に採用の質の低下やミスマッチ増加につながるおそれがあります。重要なのは、コスト削減と採用成果(質・定着率)のバランスを取ることです。データに基づいた採用設計を行い、長期的な人材活用まで見据えた「投資」としてコストを捉えることが求められます。
