面接官のアサインコストとは、採用面接を実施する際に、面接官をアサイン（配置）することで発生する人的コストを指します。具体的には、面接官が面接の準備・実施・評価に費やす時間を金額換算したもので、採用活動全体における「隠れたコスト」として注目されています。
面接官のアサインコストの仕組みは、面接に関わる時間 × 面接官の人件費（時給換算）で算出されます。たとえば、1回の面接に60分を要し、面接官が管理職（時給5,000円）である場合、1人の候補者あたりのアサインコストは約5,000円となります。これに面接準備や評価記録、複数回面接などを含めると、実際の負担はさらに大きくなります。
【面接官のアサインコストに含まれる主な要素】
- 面接準備（履歴書・職務経歴書の確認、質問内容の策定）
- 面接時間（候補者との対話・評価記入）
- フィードバック・採用会議への参加時間
- 面接官の教育・トレーニングにかかる時間
- 面接日程調整・管理業務に関わる人件費
このように、アサインコストは採用人数が増えるほど累積的に増加し、特に中途採用や複数面接官体制をとる企業では大きな負担となります。そのため、多くの企業では採用管理システム（ATS）の導入や、面接官評価シートの統一化などにより、面接工数の削減を図っています。
【注意点】
面接官のアサインコストを削減する際は、「時間を減らす」だけでなく、面接の質を維持・向上させることが重要です。評価基準を明確化し、質問内容や進行を標準化することで、面接効率を高めながらも採用精度を保つことが可能になります。また、面接官への教育投資は一時的なコスト増であっても、長期的には採用の質向上につながる“戦略的コスト”と捉えるべきです。