早期離職とは、入社後まもない時期(一般的には1年以内)に従業員が退職することを指します。新卒採用・中途採用を問わず発生し、採用活動や教育に投じたコストが回収されないまま人材が離職してしまうため、企業にとって大きな損失につながります。採用担当者や経営者にとっては、組織課題を可視化する重要な指標のひとつです。
早期離職率は、「入社後1年以内に離職した人数 ÷ 該当入社者数 × 100」で算出されます。この数値を定期的に追うことで、採用プロセスや育成体制の問題点を把握できます。たとえば「仕事内容のミスマッチ」「上司・職場環境との不適合」「教育不足」などが主な原因として挙げられます。
【早期離職が発生しやすい主な要因】
- 採用時の情報不足や選考段階でのミスマッチ
- 入社後のフォロー・オンボーディングの不十分さ
- 職場環境・人間関係への不満
- キャリア形成への不安やモチベーション低下
- 経営方針や企業文化との価値観のズレ
企業にとって早期離職は、「採用コストの損失」だけでなく、チームへの負担増や採用ブランディングへの影響も伴います。そのため、採用段階からの情報の透明化や、入社後の定着支援(メンター制度・キャリア面談など)が重要になります。
【注意点】
早期離職を防ぐには、単に「辞めさせない」ことを目的にするのではなく、採用・教育・配置・評価を一体化した人的資本のマネジメントが求められます。また、離職者のアンケートや面談などを通じて離職理由を分析し、採用基準や育成方針の見直しにつなげることが効果的です。
