離職率とは、一定期間内に企業を退職した従業員の割合を示す指標です。人材がどの程度職場に定着しているか、またはどのくらいの頻度で離職が発生しているかを数値で把握するために用いられます。採用活動や人材育成、職場環境の改善を行ううえで欠かせない経営データの一つです。
離職率の算出方法は、一般的に
離職率(%)= 期間内の離職者数 ÷ 期首在籍者数 × 100
で求められます。
たとえば、年度初めに100人が在籍し、そのうち1年間で10人が退職した場合、離職率は10%となります。この数値を分析することで、組織の安定性や従業員満足度を定量的に評価できます。
【離職率が注目される主な理由】
- 人材の定着状況を把握し、採用・育成方針を見直すため
- 企業ブランド・働きやすさの指標として外部にアピールするため
- 高離職率による採用コスト・教育コストの増加を防ぐため
- 従業員満足度やマネジメント課題を特定するため
離職率は、業界・職種・企業規模によって適正値が異なる点にも注意が必要です。たとえば、サービス業やベンチャー企業では相対的に高く、製造業や行政機関では低い傾向があります。そのため、単純な数値比較ではなく、自社の過去データや同業平均と照らし合わせて評価することが重要です。
【注意点】
離職率を下げること自体が目的ではなく、「なぜ離職が起きているのか」を把握し、改善につなげることが本質です。退職理由の分析や、入社後フォロー・キャリア支援の仕組みづくりによって、離職率の改善は定着率向上にもつながります。持続的な人材確保のためには、採用から定着までを一体で考える視点が求められます。
